2009年8月11日火曜日

財産権と所有権

1.財産権
  →有体物=物についての財産権(所有権etc.)、無体物についての財産権(知的財産権etc.)
  ・無体財産権≒知的財産権
  ・知的財産権(=知的所有権といえるか?←知的財産は所有可能であるという前提に立つ表現)
 → 昔は著作権及び特許権等を知的所有権と総称(誤訳)していたが、現在は知的財産権が使用されるようになった。誤訳により、著作権と所有権という異なる権能を本質的に同じと勘違いする議論が見られた。工業所有権→産業財産権
※知的財産権と所有権の違い
 【例】 「人の傘を持っていってはいけない」と「著作物を勝手にコピーしてはいけない」
  ①工業所有権(工業所有権法:特許法、実用新案法、意匠法、商標法、
   商法<商号>、不正競争防止法)
  ②著作権(著作権法)
2.所有権→有体物∈物の範囲
  ・生命(動植物∋動物、植物)の所有可能性
  ・自然の所有可能性
  ・知識・情報の所有可能性
   【例】有体物化した情報とそれ以外の情報の取扱い
3.所有権と知的財産権の類似点・相違点
・類似点:排他的支配権
・相違点:下記
所有権       知的財産権          視点
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有体物       無体物(→無体財産権)   対象
恒久性       一定期間       権利の存続期間
一物一権主義  一物に複数の権利  権利の在り方
時効取得     時効取得なし     取得時効
先占・発見等   登録等         取得方法例
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所有権→排他的支配権だが、所有権移転→支配権が即座に移転とは限らない。占有の移転が必要。
・占有→支配・管理可能→管理可能性から生まれる義務と権利→善管注意義務、果実収取権


【例】著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。 著作権法21
  専ら「保」有?

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