2009年8月14日金曜日

権利変動に関する用語 いろいろ

権利変動:権利発生・権利移転・権利消滅

移転・・・承継>相続(包括承継)、譲渡(特定承継)


◇承継:一般承継(=包括承継)と特定承継
・一般承継:特定の人の有する財産の包括的な承継取得
例 
自然人:相続、包括遺贈
法人:合併、会社分割等による移転

・特定承継:特定財産の承継取得∈承継取得?

贈与(包括遺贈のみ例外)、売買、交換、譲渡(例.事業譲渡・営業譲渡)
・包括贈与も、個々の特定承継の集積にすぎない。



・承継する客体
200条Ⅱ 特定承継人が承継するもの
例.盗み出した絵画を占有している甲が修理委託契約により乙に預託した
→乙は絵画の「自己占有」を特定承継している。甲は「代理占有」により占有を維持
×絵画の「占有」を一般承継しているのではない。

「現実の占有」(握持しているのは誰か)という観点からすれば、「占有を侵奪した者の特定承継人」に当たり、乙が悪意の場合のみ占有回収の訴えの相手方足り得ます。〔大審院判例昭和19年02月18日〕
→要確認


◇譲渡(譲渡し⇔譲受け):特定の権利、財産又は法的地位を他人に移転させること。定義上、制限物権の設定、一般承継、原始取得を含まない。
・贈与、売買、交換、譲渡担保設定などの効果として現れる。
また消費貸借、消費寄託の成立要件。

・譲渡の客体:
物権、債権、契約上の地位、株式や社員権や持分、受益権、特許権や著作権、商号、営業や事業などさまざま(ただし、人格権は譲渡不可)

【考察:売買】両面的
・売却/資産の償却・株式の消却
・買受



◇取得:2種類。原始取得⇔承継取得
・原始取得:ある権利を他人の権利に基づかないで独立に取得すること
例 ・時効取得(民162、163):物(所有権)、権利(所有権以外の財産権)
・即時取得(民192):動産
・無主物先占(民239Ⅰ):所有者のいない動産⇔所有者のいない不動産は国庫(Ⅱ)
・遺失物拾得(民240):遺失物
・埋蔵物発見(民241):埋蔵物
・添付∋付合(242-243)、混和(245)、加工(246):合成物、混和物、加工物
→新たにできた物の所有権の帰属

・承継取得:前の権利者の権利に基づいて権利状態を引き継ぐこと
例 売買(555)、贈与(549)、交換(586)、代物弁済(482)
相続(886)、遺贈(964)による所有権の移転


◇移転:物や権利が移ること・移すこと。譲渡・譲受けと違い、主体の視点や意思が用語自体には含まれていない。


・権利の移転∋権利移転の登記:所有権移転登記義務、鉱業権(鉱業法) cf. 権利の譲渡
・財産権移転型契約:売買、贈与、交換
・株式移転(会社法) cf. 株式交換


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