2009年8月6日木曜日

利益と損害

利益と損害~損害賠償の範囲にどこまで含めるのか?

・逸失利益:履行利益と信頼利益の二つがあるといわれている。

・不法行為における逸失利益=不法行為がなければ得られたであろう利益
・債務不履行における逸失利益=履行利益+信頼利益

・履行利益と信頼利益
履行利益=有効な契約が履行(実行)されたら債権者が得たであろう利益
信頼利益=有効な契約が実行されることを期待(信頼)して準備してしまった支出等

・現存利益
現に受けている限度の利益で、消費・滅失毀損の分を差し引いたもの。遊興費は含まれないが、生活費に使われた分は含む。

・反射的利益(反射効)
法律が公益を保護している結果として生ずる間接的な利益のこと

(引用)
<民法上>

(1)土地所有権は、消滅時効に掛かる事によって消滅してしまう事はありませんが、土地が第三者に長期間占有されると、占有者の取得時効の完成によりその土地を占有者が取得します。同一土地に所有権は並存不可能なので、占有者の時効取得によって、元の所有者は土地の所有権を失います。この様な場合、「その土地の元の所有者は、消滅時効の反射的効力(反射効)によって、所有権を失った」と言います。

(2)第2順位の抵当権者は、第1順位の抵当権が、無効・取消し、消滅ないし抹消登記がされると、順位が繰り上がって第1順位の抵当権者となります。この様な場合、「第2順位の抵当権者は、第1位順位の抵当権が存在しなくなった事による反射的利益で第1順位の抵当権者の地位を得た」と言います。

<行政法上>
(3)『反射的利益とは、法が何らかの利益の実現を目指して或る行為を命令したり制限したりする結果として私人が受ける事実上の利益のことである。すなわち、私人の利益を法的に直接保護するという訳ではない。行政事件訴訟法第9条により求められる訴えの利益の有無を判断する際に重要な概念となる。
反射的利益の例として、医師法によって医師に診療義務が課される結果として患者が診療を受ける利益などがあげられる。』

(4)『市立図書館が遠方に移転したり、廃止されるとしたら、私たちが享受している利益が減少したり、奪われる結果となります。(中略)市町村が図書館を設置、運営している、、、その行政の行為が存在することにより、反射的に利益を受けているだけであり、図書館が廃止されれば反射的に利益の享受を喪失する。 このような性質のものであって、権利としては認められない利益のことを、権利と区別する意味で、法律の世界では「反射的利益」と呼んでいる』
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q109868235
・訴えの利益

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