◇内定の性質
・会社(使用者)の募集/求人=申込みの誘引
・学生・応募者(候補者)の応募=労働契約の申込み
・採用内定通知(内定)=申込みに対する労働契約んお承諾
1.就業時期(=就労始期) 新卒者:大学卒業直後に入社予定日
※内定と契約成立の時期:新卒者と中途採用者
・中途採用者の場合、欠員補充として採用されるので、短期の内定期間となり、問題が生じにくい。
・新卒者の場合、長期の内定期間となり、内定取消しが発生する確率が上がる。
2.誓約書の提出→「誓約書記載の採用内定取消事由に基づく解約権」留保
【例】
→始期付・解約留保付労働契約 大日本印刷事件(最判S54・7・20)
→効力始期付解約留保権付契約 電電公社近畿電信局事件
◇内々定 契約締結の予約 内々定者=労働契約の予約者
◇内定取消:留保解約権の行使=解雇 内々定取消し:予約の取消し
◇内定取消事由
・採用通知書、誓約書の記載事項→ok
・記載事項以外→個々のケースで判断
・「採用内定当時に知ることができず、または知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られる」(大日本印刷事件)
Q.企業の責に帰すべき入社時期の遅延に対する内定者の取りうる手段
・民536条2項に基づく賃金請求
・労基法26条に基づく休業手当請求
◇試用期間
・法的意義:解約権留保付労働契約 三菱樹脂事件(最判S48・12・12)
1.試用→本採用。試用期間は通常の解雇よりも広く解雇の自由が認められる。
2.試用期間中は、14日以外であれば解雇予告義務が不適用。
3.試用期間の延長:就業規則に定めあれば可能。1年以内が望ましい。
労働契約日と勤務開始日(就業開始日、入社日)
(引用)
さらに、労働契約が成立するといっても、一般には学生は入社日まで就
労することはなく、賃金が支払われることもありません。この点に関する
最高裁判決には、「効力始期付(労働契約の効力開始時期を定める)」と
するもの(大日本印刷事件、最二小判昭54・7・20)と
「就労始期付(実際に働き始める時期を定める)」とするもの
(電電公社近畿電通局事件、最二小判昭55・5・30)があります。
しかし、「就労始期付」とすれば、内定者に就業規則が適用されて企業秘
密保持義務を負わされたり、業務命令でレポートを提出させられることに
なることから、現在では「効力始期付」と解されるようになっています。し
たがって、採用決定者の労働契約は通常、「就労始期付解約権留保付労働
契約」と理解するのが妥当でしょう。
(引用終)
http://www.labor.or.jp/sawayaka/p402.html
中途採用のケースと経営不振を理由とする内定取消し
(東京地決平成9年10月31日労判726号37頁、インフォミックス事件)
http://www.shinginza.com/db/00925.html
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