Q.目的物が貸主→借主→貸主と移動する場合の移動費用について貸主が負担すべきか、借主が負担すべきか(賃貸借・使用貸借)?
前提
・目的物は移動する(movable)→動産
・ビジネスにおける貸借であれば、貸主がいずれかの段階で移動費用を回収すべき。かつ、貸主からの移動費用の請求は違法ではなく契約事項。
A. 費用請求項目として定めておき、それに従えばよい。
Q.目的物の修繕費用について貸主が負担すべきか、借主が負担すべきか(賃貸借・使用貸借)?
A.法律上の【原則】は、賃貸借→貸主負担、使用貸借→借主負担か。では特約として
修繕費用を借主が負担することの合理性は?
→賃貸借:必要な修繕費用は所有者たる貸主が行うことが合理的
∵修繕による目的物の効用価値の上昇(ないし価値低下の防止)は、長期的に見た場合、所有者としての貸主に帰属すると考えるのが妥当?→長期的に目的物に効用価値が宿る→保有価値が棄損されず存続する→消費・滅失ではなく貸主としての所有志向性が高まる。
→使用貸借:借主が自ら修繕を行うことの方が合理的
∵目的物の価値の棄損を無償貸与する貸主側に一方的に負わせるとした場合、結局「貸し損」となる。→貸すことの動因低下→貸借関係の成立にとっては後ろ向きとなる。
逆に貸主が貸与による目的物の価値の低下を借主に負担してもらえば、貸さないことに固執する理由(否定的要因)が減少する。当然、所有者として未使用物の保有志向を備えている人はいるが、それはそれでよい。要は、そうした否定的要因が減少することにより、貸与という価値の交換(経済活動)を選択する人が増加するという一般的傾向を肯定的と捉える立場からみれば経済活動の機会増大に他ならないわけだから。
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