1.教示制度 行審法(57条)と行訴法(46条)の教示制度
共通点
・教示主体:行政庁(共通)
・教示態様:書面による処分の場合、書面による教示義務があるのに対し、口頭による処分では教示義務はなく、任意であること。
・教示内容:
不服申し立て(訴訟)の相手方
不服申し立て(出訴)の期間
違い
・創設:行審法が先。行訴法でH16年改正で創設。
・行審法には利害関係人に対する教示義務があるのに対して(行審法57条2項)、行訴法には利害関係人に対する教示義務がない。
→国民の権利保障という観点からは、両者に教示義務があった方がいい。しかし、
(1)処分庁・不作為庁は自分自身に対する不服申立についてはよく知っており、「円滑迅速な行政サービスの実現」という観点から見れば、自ら教示するのが効率的であるが、行訴法の場合、行政庁が自分自身以外の「第三者」である裁判所の手続きにまで精通しているとは限らない。
また、
(2)誰が「利害関係人」かは裁判所が判断すべきことであって、行政庁が判断すべきことではない。
仮にこの教示義務を行政庁に負わせるとしたら過度の負担となり、「円滑迅速な行政サービスの実現」という観点から見れば、必ずしも適切とはいえない。よって行訴法では利害関係人に対する教示義務は規定されていない。つまり、行訴法における教示制度はあくまで情報提供というサービスにとどまり、詳細については裁判所や裁判に詳しい弁護士に確認して下さいというレベルのものである。
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