2013年12月29日日曜日

ビジネス観 

興味深い連載がいくつか。文章も明瞭。
下から。
http://www.zakzak.co.jp/economy/rensai/economy-r16372.htm


以下、抜粋。



表面的な感覚や印象だけでは判断を誤る 数字を詳しく検証しよう
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131121/ecn1311210725002-n1.htm

(引用)
 「これから訪問するお客さまは、昨年度は債券運用に積極的だったようですね」と聞く私に、上司は逆に質問をした。

 「なぜ、そう思うのか」

 「債券残高をけっこう増やしたみたいですよ」と私。

 「うん。では、この顧客は昨年度からどのくらい債券残高を増やしたのだ。平均年限はどのくらい長くしたのか」

 「えっ、確か、数千億規模で……」

 「もっとしっかり勉強しておけ。確かに保有債券残高は2兆5000億円から約3兆円に増やした。しかし、平均年限は短くなっている。残高が増えたからと言って、積極的に運用したとは言えないのではないか」

 返す言葉が見つからなかった。たとえ残高を増やしていても、平均年限を短くしたということは、今後の債券価格(特に長期間のもの)の動向を慎重に見ていることの証だからだ。つまり、この金融機関は債券運用に積極的だったとは言えない。

 私はつい表面的な感覚や印象などで物事を認識する癖を持っている。この場合も債券運用残高が増えているという側面だけを捉えて、顧客は債券運用に積極的なのだと短絡的に考えてしまった。

 しかし事実は、顧客のスタンスは私の解釈の正反対だった。数字を基に全体を理解しなければ、事実と異なる解釈をしてしまい、その後の判断を誤るきっかけとなり得ることをこの時に学んだ。

 「物事を判断するときは、必ず具体的に数字を詳しく検証して結論を出すべきだ。感覚で判断すると、とんでもないことになるぞ」
(引用終)


将来の目標を定める 何を目指しどう実現するか…思考過程が大事
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131107/ecn1311070721000-n1.htm

(引用)
私は、英国の著名な大学のブースを覗いた。

 「こちらの大学の特徴を教えていただけますか」。そう問いかける私に、大学の入試責任者は丁寧に応対してくれた。そして私の次の質問に彼の目の色が変わった。

 「大学を選ぶ際の判断基準は何にすべきでしょうか」と聞く私に、彼は熱く語った。

 「大学名で選んでも仕方ない。たとえば、私たちの大学はランキングでは、英国のトップ10に入るものの、学部によってその順位は大きく異なるし、ランク自体も研究成果などで測っている傾向にある。従って教育を受ける側にとって、ランクや大学名をベースに進路を考えても意味がないと思う。何を勉強したいかをまず考え、その上で、その学問を究めるために最適な大学を選ぶのが一番でしょう」

 確かに彼の言う通りだ。ついつい大学名やランクなどで進路を決めてしまいがちだが、本来は何を学ぶかを明確にして、それをどこで学ぶのが最適かという思考の順序が重要なのだ。

 このことは、就職やその後の転職の際にも言える。

 有名な大企業に就職したい、より大きな世界で働いてみたいという気持ちは多くの人が持っている。しかし。その前に、何を目指していて、それを実現するためにはどこで働くべきかということを真剣に考える必要がある。この思考過程を経ずに、企業名やイメージにのみ捉われていると、先々後悔することもある。

 もちろん、何をしたいのかを若いうちから分かっている人は多くはないだろう。私自身、もともと銀行員を目指して邦銀に入ったわけではない。将来やりたいことが見つかったときに対応できる職種に就いておきたかっただけなのだ。

 答えを見つけるのは簡単ではない。しかし、真剣に将来の目標を定める努力をすること自体に大きな意義があると考える。

(引用終)



「やる気の素」を考える 短期的な業績と中長期的な視点
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131003/ecn1310030746005-n1.htm



「決断法」は人それぞれ 納得いくまでとことん悩む
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130926/ecn1309260735001-n1.htm
(引用)
 このように、私の決断の仕方は最初は悩み、考え、なかなか結論が出ない。さらに考える。最終的に決断するまでは、かなりの時間を要する。よくビジネスの世界では「即断即決」がいいことのように言われる。その場、その場でしっかり決断できる人もいることだろう。

 しかし、私の場合は即断即決がなかなかできない。根が臆病なのかもしれない。それでも、いったん決断すれば、多少環境が悪くても、楽観的に考えることができる。

 言い換えれば、楽観的に考えることができるようになるまで、とことん悩み、考え、さまざまなシミュレーションを行うことが私にとっては必要なのかもしれない。

 決断の仕方は、人それぞれだと思う。

 重要なことは、自分で納得のいく決断を下せるかどうか。時間の問題ではないように思う。

(引用終)


勢いのある作曲家、劣等感がチャレンジ精神を後押し
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130912/ecn1309120736003-n1.htm
(引用)
 彼によると、作曲の仕事は大変で、自分が作った曲を世に送り出すためには、コンクールで勝ち残るか、演奏会を自主企画するしかないそうだ。企業のサポートを受ける「委嘱」という方法もあるが、現実にはバックアップしてくれる企業が簡単に見つかるはずもない。

 そこで、コンクールの狭き門に挑戦するか、赤字覚悟で自ら演奏会を企画するのだそうだ。

 会合の中で、彼に対する質問があった。

 「それほど大変な思いをしてまで、作曲を続けてこられた原動力は何なのですか」

 「劣等感です」

 彼の答えに会の参加者は一様に驚いた。

 一般的に作曲を始めるのは、12、3歳からが多く、早い人は5、6歳から始めるらしい。ところが彼が作曲を始めたのは、24歳。絶望的なほど遅いデビューだったそうだ。

 しかし、だからこそ、そこから彼は猛勉強をした。「自分は作曲のことは何も知らない」という劣等感が彼のチャレンジ精神を後押しした。

 そして今は、何百年も先の人々が、現在名曲とされているクラシックと同じように自分の曲を聴いてくれることを目標として、精魂込めて作曲活動を行っていると言っていた。

 私は彼の話を聞いて、劣等感をバネにして懸命に努力することは、私たちの仕事にも共通する点があるのではないかと思った。

 組織には、優秀な人もいれば、そうでない人もいる。

 しかし、優秀と思われている人だけが、必ずしもいい仕事をするわけではない。そうではないと思われている人でも、ある時、何かに目覚め、懸命に努力することで、周囲も驚くほどの素晴らしい仕事をするようになった人を、私自身、何人も見てきた。

 そのきっかけが劣等感かどうかは人それぞれだが、劣等感をもバネにするほどの情熱があるかどうか、ここが分岐点なのではないだろうか。

(引用終)


決断したら行動あるのみ! ベンチャー企業経営者の波瀾万丈の半生
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20131212/ecn1312120720002-n1.htm
(引用)
懸命に努力をしながらも明るく積極的に仕事に取り組む姿勢も同時に重要なのだ。
(引用終)



外資金融で働く先輩が貯金をしなかったワケ
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130228/ecn1302280712006-n1.htm
(引用)
 「先輩、貯金していないのですか」

 「貯金する=守りに入る、と俺は思っている。だから、しない」と断言していた。

 当時の私は、いつクビになるか、毎日冷や冷やしていたため、先輩のこの割り切り方にいたく感服した。

 なるほど、貯金もせずに自分を追い込んでいるだけあって、彼の営業としての活躍ぶりは業界でも有名だった。当然、収入もかなりあったと思われるが、派手な生活を改めることはなく、おそらく、その後も貯金はしていないと思われる。常に攻め続ける必要のある業界では有効なスタイルなのかもしれない。

 一方、貧乏性の私は派手にお金を使うこともできず、毎年貯金が増えると、少しホッとしたりしていた。

 今でもこの先輩のことを思うと、自分の器の小ささを痛感する。彼はお金を使うことで自らを追い込むと同時に、人脈も広げていった。その甲斐あって、ビジネスの幅も広がり、その後さらに大きな成功を収めた。

 私には到底まねのできないライフスタイルだ。もし私が先輩のようなスタイルを採った場合、強靭な精神力を持ち合わせていないため、おそらく途中でまいるだろう。

 どのようなライフスタイルが正しいのかは、それぞれの人の考え方次第。自分で納得できれば、それがベスト。しかし、自分とは正反対のライフスタイルにときに憧れてしまう。
(引用終)


http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130221/ecn1302210716002-n1.htm
(引用)
人を教育する際、ときに大胆な手法を採り入れることで、本人の自覚を引き出すことができる。
(引用終)


全力でやりきる! そこに常識では考えられない進歩
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130131/ecn1301310711005-n1.htm
(引用)
確かに、賢いやり方なのかもしれない。ある程度の実績が上がっている場合、年度の後半に業績実現のタイミングや数値を調整して実績を抑えておく。実績が十分に上がっていない場合は、最後にあがいても大した見返りは得られない。

 よって、この場合も同様に実績を抑える。

 すると、「次年度の個人およびチームの目標値も抑えられ、みんなが楽になる」「次年度の目標を少しでも達成可能な数値にしておけば、解雇やボーナスの激減などという悲惨な結果を招く可能性を減じることができる」……。外資金融業界は実績に厳しい業界だけに、こう考えて実績を温存するのも無理もない。

 しかし私は、最後まで全力でやりきる必要があると感じていた。

 それは前回書いた「今年はどうなるか」という不安を払拭するためだったのかもしれないが、その頃の私は、全力でやりきった先に新しい何かが見えるはずだと考えるようになっていた。険しい山を登り切った後に、それまでの自分とは違う自分を認識する感覚に似ている。

 ある年、私は年の半ばには当初の目標を達成していた。しかし、最後のぎりぎりまで数字にこだわり、上げられるだけの実績を上げた。

 そして、それまでの常識では考えられない水準を達成した。当然、会社側の翌年の私に対する期待は大きくなった。

 つまり、プレッシャーも大きくなったわけだ。しかし同時に、私自身に対するマーケットの評価も高まった。マーケットでの評価が高まるにつれ、自社内での発言力も高まり、結果、私が理想とする顧客へのアプローチ、つまり全社を挙げた組織ぐるみのアプローチが容易に進められるようになった。

 そして、ますます実績も上げられるようになった。最後まで実績にこだわり、手を抜くことがなかったために得られた進歩だった。
(引用終)




「沈黙はパワーなり」 顧客との“交渉術”
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130704/ecn1307040709001-n1.htm
(引用)
 「福留さん、交渉の際に強力な武器となるのは何でしょうか」

 私は突然、講師から質問されて慌てた。部下もその場にいる上、長年営業として顧客との交渉に当たってきた私が間違うわけにはいかないからだ。

 「…………」

 うまい答えがすぐに見つからず、黙っていると、「さすが、福留さん、素晴らしい」と、なぜか褒められた。

 講師は続ける。

 「皆さん、そうなんです。答えは沈黙です」

 セミナールームはどっと笑いに包まれ、私は思わず赤面した。完全にあしらわれたのだ。

 講師は、私に軽く詫びた後、詳細を説明してくれた。

 「いま、福留さんが沈黙していたとき、皆さんはどう感じましたか。福留さんが、何を言うのかと引き込まれませんでしたか。交渉は押すばかりではダメです。時には引くことが必要なのですが、その時には、ぜひ、沈黙してみてください。相手は、次にあなたが何を言うのかを探りたくなります。さらに、沈黙は相手にプレッシャーを与えます。実際、顧客との交渉の際にこちらが沈黙すると相手は気まずくなり、自分からいろいろと話し始めたりします。その中には、多くのビジネス上のヒントが含まれていることでしょう」

 「なるほど、まさに交渉の場における沈黙はパワーなり、ですね」

 日頃から顧客との交渉の現場で鍛えられているはずの社員たちが膝を打った。

 このセミナー以降、ボーナス交渉の場で沈黙する社員が増えたことは言うまでもない。
(引用終)

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